2016/01/14
便の色は何の色?
健康な状態では、便はやや茶色がかった黄土色をしています。
レタスをたくさん食べたからと言って緑色の便が出たことなんてないですよね?普通、便の色が食べた物の色に染まることはありません。
あの便特有の黄土色はステルコビリンという色素によるものです。
便を作る過程で、ステルコビリンによって色づけされているんです。
ステルコビリンとは?
ご存じのように人間の体には赤い血が流れています。
血が赤いのは血液中に含まれる赤血球によるものです。赤血球には赤い色素を持つヘモグロビンが含まれているからです。
打ち身による内出血の跡ってだんだん黄色くなりますよね?
あの黄色はヘモグロビンが代謝・分解されることで生じるビリルビンの色です。ビリルビンは黄色い色素を持っています。
そのビリルビンがさらに代謝・分解されたものがステルコビリンです。ステルコビリンはビリルビンよりも茶色がかった黄土色の色素を持っています。
血管中に存在するヘモグロビンがどういった経路で便の色となるのでしょうか?以下で簡単に説明します。
ヘモグロビン→ステルコビリン
赤血球には寿命があり、約120日ほど血液中を流れるとお役御免となり脾臓にて分解されます。
その際、ヘモグロビンはヘムという鉄化合物とグロビンというたんぱく質に分解されます。
ヘムはさらに分解されることでビリルビンとなり、血液にのって肝臓へと送られます。
肝臓ではビリルビンを元に胆汁が作られます。
ビリルビンを含んだ胆汁は胆のうで貯留、濃縮された後、脂質の消化を助ける為に十二指腸へと放出されます。ここで(便の色の元となる)ビリルビンが初めて消化管内へと送られます。
十二指腸に放出された胆汁(ビリルビン含む)は、そのまま大腸まで流れ着き、腸内細菌の働きによってウロビリノーゲン→ステルコビリノーゲンを経て最終的に、ステルコビリンとなります。
ステルコビリンはそのまま便の一部となり、排泄されます。
もちろん便は食べた物から作られるので、食べた物の色素の影響が全く無いわけではないですが、通常、ステルコビリンの黄土色の色素により、便は茶色がかった色となります。