2016/01/14
白い便
白い便なんて普通なかなかお目にかかることはないと思うので、もし自分のお尻から出てきたらびっくりですよね。明らかに異常だと一目見て分かると思います。
まるでお粥のような水分の多い状態の便もあれば、固形で白っぽい便が見られる場合もあります。白と言っても真っ白ではなくくすんだ白(灰色)になることが多いです。
一体何が原因で便が白くなってしまうのでしょうか?見ていきましょう。
便が白くなる原因
便が白くなってしまう主な原因として挙げられるのは、バリウムの影響、胃腸薬の影響、ロタウィルス感染症、肝機能障害、胆のう疾患などです。
バリウムの影響
胃の検査でバリウムを飲んだ後に出る便は、白くなります。
バリウムがそのまま消化されることなく出てくるからです。
場合によっては数日間に渡って出てくることもあるので、バリウムを飲んだ後に便が白くなるのは全く心配ありません。全部出てしまえば、正常な便に戻るはずです。
胃腸薬の影響
胃腸薬に含まれるアルミニウム塩の影響で便が白くなることがあります。
特に心配はいりません。
胃腸薬を飲んで一日から数日後に白い便が出たという人は、薬を止めて様子を見るなりして、お医者さんに相談してみて下さい。
ロタウィルス感染症
ロタウィルス感染症とは、ロタウィルスに感染することにより起こる胃腸炎のことで、乳幼児に多くみられ、5歳までにほぼ全員がかかると言われています。
初めて感染した際は、下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛などのかなりきつい症状がみられます。
その際、便は白っぽい液状になることがあります。
ロタウィルスの特効薬は今のところありません。ウィルスを全て排泄してしまうわないと治らないので、下痢止め等の薬は使用せず、全て出し切るのが一番です。
脱水症状にならないように水分補給、場合によっては点滴による栄養補給で体力回復に努めるようにしておけば、数日で治ることが多いようです。
稀に重症化することもあるので、意識の低下やけいれん等の症状が見られたら注意が必要です。
肝機能障害
肝臓の主な働きの1つに「胆汁の生成」があります。胆汁は肝臓で作られてから、食べ物(脂質)の消化を助ける為に十二指腸へと送りこまれます。
その胆汁に含まれるビリルビンという物質により、正常時の便は黄土色から茶褐色になるのですが、急性ウィルス性肝炎などにより肝機能が低下することで胆汁が十分に生成されなくなってしまいます。
胆汁が消化管へと送られなくなると、便に本来つくはずの色(黄土色)がつかなくなってしまい、白っぽい色の便が出てしまいます。
ウィルス性肝炎は突然発症します。
食欲不振、吐き気、嘔吐など初期症状は風邪ともよく似ているので、見極めが難しいと思いますが、白い便、黄疸、右腹部の重だるさなどが特徴的な症状です。
感染力の非常に強いタイプのものもあるので、注意が必要です。
胆のう疾患
肝臓で作られた胆汁は、一旦、胆のうで貯留、濃縮されてから十二指腸へと分泌されます。なので、胆のうに障害があることで胆汁がうまく消化管へと送られない場合があります。
具体的には、胆のう炎、胆のう癌、胆管癌、胆石などの疾患です。
肝機能障害でも、胆のう疾患であっても、要は胆汁の分泌が上手くいかないことにより便の色に影響が出るわけです。
胆汁が消化管へと正常に分泌できないことにより、結果的にその成分であるビリルビンが血中に多く放出されることになり、黄疸が見られます。
つまり、便の色が白くて体に黄疸症状が出ている場合は、肝機能障害、もしくは胆のう疾患が疑われますので、早めに病院を受診するようにしましょう。